帰国後は、
まったく別の仕事に
挑戦したい。
これまでの経験は
どう生かす?
リセットではなくピボット。業種と職種を分けて、経験を評価に乗せたまま向きを変える
要点
- 業種(どの業界で働くか)と職種(どんな仕事をするか)は、分けて選べます。
- 片方を残してもう片方を変えると、これまでの経験を評価に乗せたまま、新しい分野に進めます。
- 両方を変えるときは、業界や職種を越えて通用する力を言葉にし、年収の見通しも確かめてから決めます。
この記事は、帰国したら前とはまったく別の仕事をしたい、と考えはじめた方向けです。
リプナビの面談でお伝えしていることを、人材サービス会社2社の転職の調査の数字とあわせてまとめています。
業種は働く業界、職種は担う仕事
業種はどの業界で働くか、職種はその会社でどんな仕事をするかです。病院で医療事務をしていた方なら、業種は医療、職種は事務です。
| 意味 | 例 | |
|---|---|---|
| 業種 | どの業界で働くか | 医療・教育・旅行・ホテル・IT |
| 職種 | どんな仕事をするか | 事務・営業・接客・企画 |
前の仕事が合わなかったときは、合わなかったのが業種なのか職種なのかを分けると、残せるものが見えてきます。
面談では、医療業界で事務をしていた方が医療も事務もやめたいと考えてしまうように、業種と職種をセットで考える方が多いとお伝えし、2つを分けて考えることを勧めています。
変え方は4通り。経験が生きるのはどの形?
片方を残す2つの形では、残した側の経験がそのまま評価に乗ります。
| 職種はそのまま | 職種を変える | |
|---|---|---|
| 業種はそのまま | これまでの延長 | 業界の知識を生かして、別の仕事へ |
| 業種を変える | 仕事の力を生かして、別の業界へ | 業種も職種も新しくする(準備は後の節) |
大手転職サービスの調査(2026年版)では、そのサービスを利用して転職した方のうち、年収が上がった方の割合は、4つの形のどれも6割を超えていました。差は5ポイントに届きません。
| 大手転職サービスの調査(2026年版) | 年収が上がった方の割合 |
|---|---|
| 異業種・同職種(業種を変え、職種はそのまま) | 66.1% |
| 同業種・同職種(どちらもそのまま) | 66.0% |
| 同業種・異職種(業種はそのまま、職種を変える) | 64.7% |
| 異業種・異職種(どちらも変える) | 61.2% |
- 片方を残した2つの形は、どちらも6割台半ばで、業種も職種も変えた形は61.2%です。
- 別の大手人材サービス会社の調査(2023年発表)では、その会社の転職支援サービスを利用して転職した方のうち、業種も職種も変えた転職は2022年度に39.3%で、2013年度からの10年で最も高い割合でした。
- 同じ調査では、この形の割合は年齢別で20〜24歳が最も高く、25歳以上では、職種はそのままで業種を変える転職が3割を超えています。
これまでの経験を残す形の例を2つ挙げます。どちらも面談でお伝えしている形です。
- 教育業界で教師をしていた方が、教育業界の中で教師以外の仕事に就く。面談では、教師という立場がつらかっただけで、教育への関心は残っていることが多く、業界を残せば、それまで積んだ経験を評価に乗せたまま転職できるとお伝えしています。
- 医療業界で事務をしてきた方が、病院に在庫管理などのシステムを届ける企業で働く。医療業界の知識を軸に残し、現場の仕事を知っていることを強みにする形です。
経験を積み上げたまま、向きを変える「ピボット」
リプナビの面談では、経験は積み木のように積み上がるもので、転職では積み上げてきた専門性が評価されるとお伝えしています。ピボットは、軸足を残したまま、向きだけを変える考え方です。
- 前の仕事が合わずに海外へ出た方の中には、帰国を機に一度リセットして、別の分野で働きたいと考える方がいます。
- 前の仕事の経験は、帰国後もご本人についてきます。
- もとはバスケットボールの用語で、片足を軸に残したまま体を回す動きを指します。仕事に置き換えると、これまでの軸はそのままに、力を発揮する方向を変えることです。
- 例:採用の人事をしていた方が、人材という軸はそのままに、労務や社内教育の仕事へ向きを変える。
面談では、留学で生まれ変わってほしい、ただ過去の自分は投げ打たないでほしいとお伝えしています。年収を下げたくないと考える方には、まず経験を生かす形から考えることを勧めています。
採用担当が帰国者のどこを見ているかは、「採用担当は、留学・ワーホリ帰国者のどこを見ている?」にまとめています。
業種も職種も変えるときに、準備しておくこと
準備は2つです。業界や職種を越えて通用する力を言葉にすること、年収の見通しを先に確かめることです。
前の節で挙げた2023年発表の調査でも、業種・職種を越えて持ち運べる力(ポータブルスキル)を整理することが重要だとしています。通用する力は、次の3段で書き出します。
| 書き出す順 | 書き出すこと |
|---|---|
| 1. 価値観 | 仕事で大切にしてきたこと。価値観は大きく変わらないため、次の仕事を選ぶ基準になります |
| 2. 業務内容 | 任されていた仕事と、どのくらいの量をこなしていたか |
| 3. 強み | 周りから任されてきたこと、評価されてきたこと |
- 業務内容は、ほかの業界の会社でも思い浮かぶよう、こなしていた量をできるだけ具体的に書きます。
- 例:通常の業務を止めずに、自分から手を挙げた仕事も並行して回してきた。面談では、こうしたタスク管理の力はほかの業界でも評価されるとお伝えしています。
面談では、次の仕事の年収は前の仕事の年収を基準に調整されることが多く、職種が未経験になると、業種によっては下がることもあるとお伝えしています。
- 例:製造業で5年以上働き、年収500万円を超えていた方が、製造業には戻りたくないと考え、未経験でIT業界に進みました。年収は300万円ほどになりましたが、ご本人は、この先上がる見込みがあるなら頑張ると選んでいます。
- 年収の見通しを知ったうえで、どの道に進むかをご自身で選びます。
前の仕事の職種と経験の長さで年収がどう決まるかは、「帰国後の年収と求人のリアル:前職と経験の長さで、どんな仕事がある?」にまとめています。
実績の書き出し方は、「ワーホリ・留学中に、転職の準備はどこまで進められる?」にまとめています。英語の力を仕事でどう見せるかは、「英語は仕事でどこまで求められる? TOEICは要件か、参考か」にまとめています。
行きたい業界があるときは、どんな順番で入る?
これまでの力が生きる職種で、まずその業界に入ります。そこから、業界の中で仕事を広げていく順番です。
- アニメやキャラクターグッズのように、業界の経験があるかどうかを最初に見る業界があります。
- こうした業界には、販売や営業など、これまでの力が生きる職種でまず入ります。
- 目指す業界に加えて周辺の業界にも応募し、少しずつ寄せていく道もあります。
面談では、本当に目指すなら、一度業界に入ってから横に広げていくほうが現実味があるとお伝えしています。
残すものと変えるものを書き出す
〈 〉の中を、ご自身の経歴で埋めてください。
| 項目 | 書き出すこと |
|---|---|
| 前の仕事の業種 | 〈業界〉→ 残す/変える |
| 前の仕事の職種 | 〈仕事〉→ 残す/変える |
| 持っていく力 | 〈業界や職種を越えて通用する力〉と〈こなしていた量〉 |
| 年収の見通し | 〈前の仕事の年収〉と〈応募したい求人の年収の幅〉 |
帰国までの月ごとの流れと、時期ごとに読む記事は、「帰国前の転職準備は、いつ何をする? ワーホリ・留学中の月ごとの段取り」にまとめています。
よくある質問
前の業界には、どうしても戻りたくありません。それでも経験は生かせますか?
生かせます。業種を変えても、職種の経験や、業界を越えて通用する力は持っていけます。面談では、通常の業務と並行して追加の仕事を回してきたタスク管理の力は、ほかの業界でも評価されるとお伝えしています。どの力を次の業界に持っていけるかは、価値観・業務内容・強みの順に書き出すと見えてきます。
業種も職種も変えると、年収は下がりますか?
下がることも、上がることもあります。大手転職サービスの調査(2026年版)では、そのサービスを利用し、業種も職種も変えて転職した方の61.2%が、年収が上がっています。一方で、面談では、次の仕事の年収は前の仕事の年収を基準に調整されることが多く、職種が未経験になると下がる場合もあるとお伝えしています。前の仕事の年収と、応募したい求人の年収の幅を先に確かめ、見通しを立ててから決めましょう。
海外での経験は、どの業界で生きますか?
前の仕事の経験と組み合わせたところで生きます。海外での経験だけを手がかりに業界を選ぶより、前の仕事の業種と職種のうち残すほうを決め、そこに海外で任されたことや身につけたことを重ねると、話の筋が通ります。リプナビに相談した方の前職と、帰国後に希望する職種の組み合わせは、帰国者キャリア調査にまとめています。前の仕事と海外での経験を、並べて書き出しておきます。
出典・監修
出典と監修者を見る
- 運営するワンランク株式会社は、厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-317133)です。『国外にわたる職業紹介』の届出が東京労働局で受理されており、ワーキングホリデーや留学などで海外に一時滞在している日本人求職者に、帰国後の日本国内での就職に向けて、滞在中から求人の紹介・応募の支援・オンラインでの選考の調整を行っています。
- 出典:パーソルキャリア株式会社「転職サービス『doda』、『転職による年収アップ成功者の傾向2026年版』を発表」(2026年8月24日発表・PR TIMES)。2025年10月〜2026年3月にdodaエージェントサービスを利用して転職した方が対象。割合は、それぞれの形で転職した方のうち、年収が上がった方の割合(年収が上がった方の数÷転職した方の数)です
- 出典:株式会社リクルート「『異業種×異職種』転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた『越境転職』が加速」(2023年11月29日発表)。リクルートエージェントを利用して転職した方が対象(分析期間 2013〜2022年度)
- 面談の事例:LeaP Navi のキャリア相談5件(2026年9〜10月)。ご本人が特定されないよう、細部は伏せています
- 記事の作り方と確かめ方は、編集方針にまとめています。
- この記事の監修(全文):LeaP Navi キャリアアドバイザー Masato Takanashi(留学カウンセラーとキャリアカウンセラーを、それぞれ5年以上経験)
- 更新日:2026-10-30
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リプナビ公式LINEでは、帰国後に業界や仕事を変えたい方のご質問を受け付けています。残すものと変えるものを書き込めるシートも、公式LINEで受け取れます。面談では、これまでの仕事を業種と職種に分けて書き出し、残すものと変えるものをご本人と一緒に決めます。そのうえで、残した経験が生きる求人を、キャリアアドバイザーが一件ずつ手作業で選んでご紹介しています。オンライン対応・海外からOK。帰国前から無料でご相談いただけます。
リプナビの運営について
リプナビ(LeaP Navi)の運営は、留学会社を母体に持つワンランク株式会社です(厚生労働大臣許可・有料職業紹介事業 13-ユ-317133)。「国外にわたる職業紹介」の届出も受理されているため、対象の35の国・地域に一時滞在している日本人の方は、海外にいるうちから日本国内の求人の紹介を受けられます。
